絵合わせパズル(8マス・15マス・24マス)
ストロベリーないちご

苺の歴史

季節になると果物売り場で真っ赤ないちごがたくさん販売されます。ツヤツヤしていて前を通ると甘いにおいがします。いちごには透明なガラスの器がよく似合います。真っ赤ないちごを透明な器に入れ。真っ白な練乳をたっぷりかけると、さらにおいしそうに見えますね。そんないちごですが、いつから日本で食べられるようになったのでしょうか。

苺はいつから食べられていた?

いちごはいつ頃から食べられていたのでしょうか。なんと、石器時代にはすでに食べられていたようです。けれど、現在私たちが食べているようないちごではなく、野生のいちごでしたので、今よりもずっと小粒のものだったと考えられます。石器時代には実を食べるだけではなく、葉や茎、根まであますところなく食べられていました。

石器時代は狩りや漁をして生活していたので、木の実などの甘いものはご馳走だったに違いありません。農薬などもない時代ですし、ビタミンCも豊富で身体によさそうですね。

苺の栽培が始まったのは?

エゾヘビイチゴ

いちごが世界ではじめて栽培されたのは、17世紀の頃で、エゾヘビイチゴだったと言われています。フランスやベルギーなどのヨーロッパ地方で、野生のいちごを持ち帰り、畑で作りはじめました。野性のものを持ち帰って自分達で作ろうと思うほど、いちごはおいしいものだったのでしょう。

本格的に栽培されるようになったのは、ほんの200年ほど前からになります。日本で本格的にいちごの栽培がはじめられたのは明治5年からで、その品種は『福羽』といういちごでした。フランスから取り寄せた早生種を育てたのがはじまりです。当初は庶民の口に入るような手頃なものではなく、皇室用とされて、『御苑いちご』『御料いちご』などと呼ばれていました。

オランダいちご(別名バージニアイチゴ)

日本にはじめてやってきたオランダいちごは、オランダの農園で18世紀にバージニアイチゴという北米産のものと、チリイチゴというチリ産のいちごの種類の違ういちごをかけあわせて誕生したものです。元々野生のいちごだったものをかけあわせたら、それまでのいちごの大きさの10倍にもなりました。味もとてもよくなり、徐々にいちごの人気が出てきて、世界中に広まっていきました。

いちごが日本にやってきた!

オランダいちごの花

それまでは野生のいちごを食べていた日本に、粒の大きないちごが入ってきたのは、1830年代の江戸時代の後半です。オランダ人が日本に持ち込んだため、オランダいちごと呼ばれています。今でこそ真っ赤ないちごが好まれますが、日本に入ってきた当初は、いちごの色が血を連想させるとして、食用としてはあまり普及しませんでした。

日本ではいちごを食べるというよりも、最初は観賞用として普及したようです。その後、アメリカやイギリスから1870年代に伝わったパイナップルいちご、アナナスいちごと呼ばれるものが、現在私たちが食べているいちごのルーツになります。

近年のいちご

明治5年に日本で本格的に栽培が始められたいちごですが、大正時代を経て昭和になって、ようやく庶民も食べられるようになりました。昭和30年代にはビニール栽培が確立したために、飛躍的に生産量が増え、価格も下がってきて、庶民の口にも入るようになりました。この頃、『ダナー』という種類のいちごがアメリカから入ってきて、東日本に広まり、『宝交』という品種を主力としていた西日本と『西の宝交・東のダナー』と言われて競われました。この2品種の戦いは、いちごを全国的に広めたきっかけにもなり、いちごの歴史に名前を残すことになります。

その後、新たな品種、『とよのか』と『女峰』に戦いの座を明け渡し、この2品種で再び戦いが繰り広げられます。現在では数多くの品種が生まれ、とちおとめやさちのか、あまおうなどが次の戦いにいどもうとしています。こうして次々といちごは新しい品種が登場しているのです。